増加傾向にある空き家がもたらす防犯、 景観、 衛生上の問題に対する解決策を、 規制と利活用の両面から考える 「丹波市空き家等対策審議会」 (12人) の初会合が17日、 春日住民センターで行われた。 会長には県住宅審議会長の小森星児さん (篠山市) を選んだ。 市は規制の面から空き家等の撤去費用に対する助成制度 (案) を、 利活用の面からNPO法人が運営する定住促進センター (空き家バンク) の設置を提案し、 委員に意見を求めた。 市はいずれも来年度からの施行、 運用をめざす方針。
撤去費用に対する助成制度 (案) は、 ▽倒壊など保安上、 著しく危険▽衛生上、 著しく有害―などの条件に合致する場合、 所有者か、 所有者から同意を得た自治会に対し、 上限200万円 (補助率5分の4) の補助金を支給するもの。
定住促進センター (空き家バンク) の設置は、 利活用できる空き家を登録しておき、 移住希望者に紹介するほか、 田舎暮らしに対するアドバイスも行うもので、 市は今回、 同センターを核とする仕組みを2案提示した。
委員からは、 助成制度について 「助成を受けるために“放っておくこと”を助長しかねないので、 補助対象の選定には注意が必要」 「建物はしっかりしているが、 所有者が分からず、 ごみが散乱し、 住民が困っている場合は対象となるのか」 といった意見が出た。 次回以降、 具体的な事例を挙げて検討しながら制度案を固めていく。
同センター構想について市は 「空き家バンクなる組織は各地にあるが、 “開店休業”状態のところも多い。 なぜ開店休業になっているのか、 そうならないためにはどうすればよいか意見がほしい」 と委員に呼びかけた。
同審議会は、 今年7月に施行した空き家対策に関する条例に基づくもの。 市が今年5月に298自治会に対して実施した調査 (回収率98%) によると、 空き家戸数は1238戸。 このうち、 環境面に問題があったり、 倒壊の危険性があるものは366戸 (29・5%) で、 適正に管理されているものは872戸 (70・4%) だった。