地域へ出前講座スタート 医師派遣し医療講演 兵庫医大と「ささゆり」

2014.09.11
ニュース丹波篠山市

 兵庫医科大学ささやま医療センター (篠山市黒岡、 福田能啓院長) と地域医療支援グループ 「ささゆり」 (松本正義代表) は、 同センターの医師を地域に派遣し、 さまざまな医療や健康に関する講座を行う事業をスタートした。 地域の医療を担う病院として、 訪れる患者を診るだけでなく、 地域に赴き、 地域に溶け込み、 スタッフ、 住民ともに同センターを 「市民の病院」 として意識を高めることをねらった出前講座。 スタッフらは、 「どんどん地域に出向いていって、 市民との連携を深めていきたい」 と意気込んでいる。

 出前講座は、 まちづくり協議会や自治会、 団体などからの要望を受け、 医師や教授を派遣して講座を開くもの。 同センター地域連携・総合相談室や 「ささゆり」 が窓口となり、 講師の日程や講座内容を調整する。

 センター内で支援活動を行う中、 昨年、 松本代表が福田院長に、 「患者だけでなく、 地域に出向いていくことで、 スタッフに篠山への愛着を持ってほしい。 そうすることで災害が起きた時や急性期医療の現場でもモチベーションを高めることができるのでは」 と出前講座の開催を申し入れ、 実現に向けて調整を図ってきた。

 今月2日には王地山公園ささやま荘で、 篠山ライオンズクラブ (松本豊会長) が第1回目となる講座を受講。 同大学教授の下村壯治副院長が、 専門分野である 「肝臓」 などをテーマに講演した。

 下村副院長は、 食の欧米化などの影響から肝機能障害や高コレステロールなどが年々増えている状況や、 メタボリックシンドロームやアルコールの摂取が原因で、 肝硬変、 さらには肝臓がんになることなど、 研究成果を交えながら説明。 「肝臓に関する病や脂肪肝などは、 太っている人がなりやすい」 「肝臓の数値が低くても、 病気が進行しているケースもある」 など、 専門家としての立場から注意を促した。

 ライオンズクラブメンバーらは、 第一線で活躍する医師が語る説得力のある内容に、 熱心に聞き入っていた。

 会長テーマに 「つなぐ」 を掲げる松本会長は、 「地域や会員をつなぐことを考える中、 地域医療をつなぐこともとても大切。 出前講座がたくさんの団体につながっていけば」 とにっこり。 松本代表は、 「医療センターは、 税金を投入して存続した市民の病院。 感謝の気持ちを込めた出前講座を継続的に開催していきたい」 と話している。

 講座開催は無料。 診療後になるため、 開催は夜間になる。 松本代表 (TEL090・8821・0126)。

 

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