安全神話は通用しない

2014.09.11
丹波春秋

 先日、集落の役員の一人としてハザードマップに記載されている集落内の危険個所を見て回った。その中には我が家を襲うかもしれない個所があった。我が家は、マップで示された土石災害警戒区域にある。▼土地を購入し、新築したのは25年前。土地の購入にあたって災害の危険性を考えなくはなかったが、地価を購入の最大の基準とした。地価の高騰が進み、貨幣価値が異常な時代だったからだ。時は移り、今、気象が異常な時代となった。▼今回の豪雨災害で「丹波は比較的災害の少ない地域」という神話が崩れた。丹波の大方の地域が被害を受けなかったとはいえ、いつ自分の家が災害に見舞われるかわからない。そんな不安を与えるのに十分すぎる衝撃だった。異常に対して安全神話は通用しない。▼東日本大震災は、私たちに自然観や文明観などの転換を迫った。「震災前」「震災後」と、時代を区分しなければならないほどの転換点であった。今回の豪雨災害も、丹波に住む者にとっては大きな転換点となるに違いない。▼被災した知人が、「最初は夢じゃないかと思ったけど、2日たっても3日たっても、そのままある土砂を見て、これは現実なんだと思い知った」と語っていた。気象の異常はさらに増すだろう。安全神話の生きた時代にはもはや戻れない。それが現実だ。(Y)

 

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