臭気軽減へ共同研究 汚泥乾燥肥料 篠山東雲高とあさぎり苑

2014.09.14
ニュース丹波篠山市

あさぎり苑内の汚泥処理の過程を見学する篠山東雲高生たち=兵庫県篠山市西岡屋のあさぎり苑で

兵庫県篠山市民に無料配布している、 篠山市し尿処理施設 「あさぎり苑」 (同市西岡屋) の汚泥乾燥肥料 「あさぎり乾肥 (かんぴ)」 の臭気を軽減しようと、 市上下水道部と篠山東雲高校がこのほど、 共同研究を始めた。 同校の菊川裕幸教諭は 「微生物や竹チップなど自然由来のもので、 費用ができるだけかからない方法で実現したい」 と話している。

あさぎり乾肥は、 汚泥処分量の縮減と資源の有効活用を目指し、 昨年7月から市民への配布を始めた。 各処理場から受け入れた脱水汚泥を同施設内の大型バーナーで乾燥させて作っており、 13年度は年間20トンを配布。 今年度は30トンの配布を目指している。

昨年11月に実施した肥料の利用者アンケートで、 肥料の臭気が気になる声が寄せられた。 同施設周辺自治会から 「散布後すぐに土と混合することを義務付けられないか」、 また、 市議会から 「臭気対策をしているか」 「対策を講じてから商品化すべきでは」 などの意見が出た。

これらの意見を受け、 商品価値を高めようと、 農業とバイオテクノロジーを学んでいる同校の 「ふるさと特産類型」 との共同研究に取り組むことにし、 ▽未発酵状態で臭気の対策▽肥料の保管場所がないため、 約1カ月以内に出荷できる▽有害な物質を混ぜない▽大規模な設備投資をしないで、 作業時間も短く▽ランニングコストを低く―などを条件にした。

このほど、 同類型の2年生6人が同施設を訪れ、 肥料になるまでの工程を見学。 それぞれの過程の臭いをかぎながら、 肥料に残る臭いとの違いなどを確認していた。

同校は 「袋のデザインや、 臭気軽減後の肥料の栽培効果も含めて研究していきたい」 と話している。

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