畑宮の住民らでつくる 「畑宮生産組合」 (畑一成組合長、 21戸) が、 収穫した農産物を販売するインターネットオンラインショップを立ち上げ、 運営をスタートさせた。 高齢化と人口減少から農業の先行きが案じられる昨今にあって、 「自分たちがつくったおいしいものを全国の人に楽しんでもらい、 収入を上げることで地域の活性化につなげたい」 と考えた農家たち。 組合として取り組んできたささやかな共同作業から、 楽しい共同作業へと転換を図りたい考えだ。
オンラインショップの名前は、 「畑宮ファーム」。 生産組合が地域住民からほ場を借り受けて栽培しているコメと黒枝豆を、 収穫期に合わせて期間限定で販売する。
ホームページには、 新米や黒枝豆の紹介のほか、 作物をはぐくんだ畑地区の位置やイベント内容、 また同地区で活動している神戸大学のサークル 「はたもり」 の紹介、 篠山市地域おこし協力隊のフェイスブックなども掲載している。
同組合は1986年に結成。 当時はシイタケの栽培や農薬の共同購入などを行ってきた。
しかし、 時代が過ぎるにつれ、 農家の減少と高齢化が顕著になり、 組合への作業依頼が増加。 今年は25アールの水田でコメを栽培したほか、 黒豆の栽培も請け負っている。
「どこの農家も言うやろうけれど」 と前置きした組合員らは、 「畑のお米はおいしい」 と太鼓判。 自慢のお米を楽しんでもらえる独自のルートを考えてきた。
そんな中、 昨年12月、 大阪出身で、 ネットショップの運営やウェブデザイナーを務める浜田昌壱さん (44) が同地区に移住。 願ったりかなったりの人材が登場し、 組合と共同でネットショップを立ち上げることになった。
畑組合長 (61) は、 「直接売ることで、 『おいしい』 と言ってもらえるうれしさや、 おもしろさがあるし、 意欲がわくと思う。 しんどいばっかりやなくて、 楽しみもないと」 とにっこり。 組合員らは、 「定年して地元に戻ってくる人もいると思う。 そんな人たちにも、 農業の楽しさとやっていける道筋をつくることができたら」 と話す。
浜田さんは、 「篠山はいろんな農作物が有名だが、 コメは意外と知られていない。 経済的な活性化が地域の活性化にもつながれば」 と言い、 「畑は本当にいいところ。 協力させてもらえてうれしいし、 地域の人と一緒になって5年、 10年と先を見据えた活動をしていきたい」 と意気込んでいる。