北京の車

2014.11.27
丹波春秋

 北京でAPEC(アジア太平洋経済協力)会議の期間、乗用車の走行を偶数ナンバーと奇数で日替わりで半分に抑えて青空を取り戻していたが、規制が終わった途端にまた元の大気汚染に見舞われているという。▼筆者が5月に行った時は、規制ナンバーを「月曜=0、5」「火曜=1、6」という具合に決め、運転できる車を月~金のみ総台数の5分の4にしていた。▼40先の郊外に行った土曜日、ひどい渋滞で中心部から出るだけで3時間近くかかった。運転してくれた人によると、5分の1の人が地下鉄などで通勤せざるを得ない平日に比べ、規制のない週末の方が余計に車が溢れるとのこと。▼いくら規制しようと、金持ちは違うナンバーの車を2台持っているので平気。ただ、新しく買う場合、買い替えなら保有ナンバーを引き継げるが、新規のナンバー取得には毎月1回だけの抽選を経なければならない。これが50人の当選枠に1万人応募という難関。離婚の際、夫婦どちらがナンバーを引き継ぐかで訴訟沙汰になることも珍しくないとか。▼四国よりやや狭い面積の市内に住む人は2千万人で、車の数は6百万台。道路や地下鉄の建設も進むが、いっこうに解決につながっていない。抜本的な解決策を欠くのは明らかだが、決してよそ事と片づけられる問題でもなさそうだ。(E)

 

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