隠ぺい「消防長判断」 消防不正事務で丹波市会百条委員会

2014.12.04
ニュース丹波市

 兵庫県の丹波市消防本部の化学ポンプ車積載用ボンベ購入における不正事務を調査する市会百条委員会は12月1日、 当時の同本部消防長、 次長、 署長の幹部3人を証人尋問した。 部下から不正があったとの報告を受けた後にどのような判断をし、 行動をとったかを問い、 最終的には消防長判断で事態を本部内の話として隠ぺいしようとした実態が明らかになった。

 同ボンベ購入の見積もり合わせで、 当時の副課長の指示を受けた係長が、 本来契約すべき業者ではなく、 2番手の業者に見積書をファクスで再提出させ、 落札業者を差し替え、 契約した。 昨年12月に公益通報によって発覚した。

 署長は不正があったことを2人の係長から相談され、 事務を担当していた副課長と係長=いずれも市が告発=に直接確認したところ、 事実を認めたことから次長に報告。 さらには消防長にも報告することになったという。

 次長、 署長ともに不正だという認識があったため、 「契約した業者に頭を下げてでも、 本来契約すべき業者と契約するよう軌道修正すべき」 (次長)、 「市当局に報告すべき」 (署長) と消防長に進言したものの、 「それ以上は言えなかった」 「トップの言うことには従うという性格になってしまっていた」 などと述べ、 上下関係の厳しい独特の職場風土があることを示唆した。

 一方、 消防長は、 「不正だという認識があったが、 契約が成立しており、 これはどうしようもない、 後には戻れないという意識が頭の中を占めてしまい、 誤った判断をしてしまった」 と繰り返した。

 

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