古民家再現し店舗に スイーツ、ピッツァも 中島大祥堂、 柏原に出店

2015.01.29
ニュース丹波市

店舗内物販コーナーのイメージ図

兵庫県丹波市山南町美和に丹波工場をもつ菓子製造業 「中島大祥堂」 (本社・大阪府八尾市) が、 柏原町中心市街地にワラ葺き古民家を利用した店舗を建築している。 和洋菓子、 カフェ、 薪窯で焼くナポリピッツァの3つを柱に、 飲食、 物販事業を通して食材、 陶器、 家具など丹波の地域資源を全国に発信する。 4月のオープン予定。

柏原高校近く、 丹波市休日診療所の真向かい (同市柏原町柏原)。 すぐ近くの大手会館では、 文化財としての建物改修とあわせ、 レストランが入居する準備が進められており、 同じく4月オープン予定。

中島大祥堂の店舗は、 10年ほど前まで同市街地の別の場所にあった古民家を再現する。 所有者が処分する予定だったところを、 貴重な資源だと判断したまちづくり会社 「まちづくり柏原」 (荻野吉彦社長) が解体費用をもつかたちで譲り受け、 市内の倉庫で部材を保管していた。

店舗には厨房、 カフェ、 物販ゾーン、 料理教室などが開けるコミュニケーションゾーンを設ける。 提供する和洋菓子はもちろん、陶器、家具なども丹波の地域素材を生かしたものを使用。 里山に根付く技術、 文化も発信する。

同社小売事業部の藤本真一部長は、 「地元、 都市部に向けて発信することで地域活性化に寄与したい。 柏原をスタートに、 例えば都市部にも出店したり、 ピッツァの専門店を開くなど小売事業が展開していければ」 と期待している。

丹波栗や黒豆などを使用した地域に根ざした菓子作りを通して素材の良さに着目した同社が、 発信拠点とする店舗立地を探すなかで同市街地に行き着き、 まちづくり柏原が実施主体となる国の補助事業を活用することにした。

まちづくり柏原が直営するイタリアンレストラン 「オルモ」、 鹿肉専門店 「無鹿」 などと同様の、 古民家を活用した 「中心市街地空地活用テナントミックス事業」。 古民家を建築するところからの事業実施は初めて。 事業費1億4580万円のうち、 3分の2 (9000万円) を国が補助。 残る3分の1 (5580万円) の40% (1800万円) を市が補助する。

まちづくり柏原の荻野社長は、 「大祥堂の店舗と大手会館のレストランが開店すれば、 市街地に回遊性が出てくる。 街並みに、 落ち着いた風情とストーリーをもたせる施策展開も考えていく必要がある」 とし、 「これを機に柏原で出店したいという人が増えれば」 と期待している。

 

 

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