手まりで広がれ支援の“わ” 超希少疾病の竹川さんの応援に

2015.01.22
ニュース丹波篠山市

超希少疾病 「遠位型ミオパチー」 を患いながらも懸命に生きる竹川さん(右)と、 支援の手まり教室を開く松田さん=兵庫県篠山市中野で

筋力が低下する病で、 日本で300―400人ほどしか確認されていない超希少疾病 「遠位型ミオパチー」 を患っている竹川友恵さん (36) =兵庫県篠山市=と竹川さんが加盟する患者会への支援にと、 同市の松田千栄子さん (78) が、 味間ふれあい館 (同市中野) を会場に手まりづくりを指導する教室を立ち上げる。 住民らから参加を募り、 月々の月謝を患者会への寄付に充てる仕組みで、 3月からの開講を予定。 合わせて寄付だけでなく、 難病への理解も広めていく。 病名と自身の名前を公表し、 勇気を出して支援を求めた竹川さんの声が、 松田さんのもとへ届いた。

竹川さんが28歳の時から患っている 「遠位型ミオパチー」 は原因不明の筋疾患の一種で、 手足の先から筋力が低下していく。 有効な治療法は確立されておらず、 患者数が少ないため、 昨夏までは指定難病にも選ばれていなかった。

発症から数年で車いす生活を余儀なくされた竹川さんだが、 病への理解や寄付を呼び掛けるなど、 自分なりにできる活動に取り組んできた。

竹川さんのことを本紙 (昨年12月14日付) で知った松田さん。 「郵便受けから新聞を取り、 家の中に入るのも忘れて読んだ」 と言い、 「竹川さんのために、 自分に何ができるか」 と考えた末、 40年ほど前から続けている手まりづくりの教室を開き、 月謝を寄付に充てることを考えた。

教室の名前は、 「手まりサークルわ」。 松田さんの孫の発案で、 「和やかに、 人と人が手をつないで、 支援の輪をつくれたら」 との思いを込めた。 手まりは、 ティッシュペーパーやもみがらを芯にし、 糸を巻きつけて球形に成形し、 その上からさまざまな色の糸で柄をつくっていく。 松田さんは、 「少し根気はいるけれど、 誰でもつくれるようになる。 色の合わせや柄を考えたりすることが楽しく、 頭や指の体操にもなります」 とほほ笑む。 すでに4人ほどが受講の申し出をしてくれているという。

19日には、 竹川さんと松田さんが対面し、 互いの思いを伝えあった。 竹川さんは、 「ただただ、 うれしいです。 病気の本人がどうしたらいいかわからないのに、 知らない人が動いてくださることが本当にありがたい」 と感謝。 松田さんは、 「小さな力だけれど、 支援させてもらうことが私の生きがいにもなる。 大変だろうけれど、 『一人じゃない』 と思ってほしいし、 精いっぱい応援します」 と伝え、 親ぼくを深めた。

教室は、 毎月、 第1、 3火曜日の午前10時―正午に開講。 月謝は月1000円 (材料費は実費) で、 全額を患者らでつくるNPO法人 「遠位型ミオパチー患者会・PADM」 に寄付する。

病気や寄付の概要は、 患者会のホームページ (http://enigata.com/index.html)。

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