山南2中学校統合協議 中央公園前提か中止か 委員に判断求める 

2015.03.26
ニュース丹波市

 新校舎の位置をめぐり、 山南中央公園 (兵庫県丹波市山南町谷川) と同町井原付近で意見が分かれ、 協議が暗礁に乗り上げていた山南地域市立中学校統合準備委員会が3月20日、 1年ぶりに市役所山南支所で開かれた。 こう着した事態を動かそうと、 柳川瀬義輝委員長が今後の進め方として 「統合場所は中央公園付近を前提として通学方法の見直しや教育施設の充実等、 一定の要件を満たせば統合準備を進める」 「の方向性が受け入れられない場合は、 統合準備の議論を中止する」 ―の2つの選択肢を提案。 いずれかの判断を次回委員会で委員が表明する。

 柳川瀬委員長は 「井原は、 農地転用の可能性がほぼ見込めない。 おのずと中央公園になる。 通学路など通学リスクの解消、 環境問題を考え、 2つの選択肢を示す」 とし、 井原を選択肢から外した理由を説明した。 また、 「中央公園にした時に遠距離通学の課題が和田に大きくかかってくる。 通学路の安全対策や環境問題はどこも (他の地域にも) かかってくる」 と述べた。

 委員は選出母体と相談の上、 6月頃の開催が検討されている同委員会で意見を述べる。

 和田の委員から 「究極の選択だ」 という意見や、 「第3案」 の提案などがあったが、 最終的に2案で了承を得た。

  「一定の要件」 の中身は、 ▽ 「8超で弾力的運用」 と決めたバス通学の距離の見直し▽通学路の安全対策▽臭気対策としてのエアコンの設置―などの意見が出たが、 この日の委員会で決めることではないとして、 意見を言い合うにとどめた。

 委員が持ち帰り相談する中身も 「一定の要件を満たせば委員会を続けていいかどうか答えを出す」 とし、 具体的な 「要件」 の中身の詰めは求めない。

 小田繁雄教育長は 「中央公園で1度検討してみようという前向きな検討をお願いする。 山南は児童の数が減っており、 中学校も減る。 前向きに考えて」 と訴えた。

 宮垣祐司和田中校長は1年生が1学級になり、 学校行事や部活動が成り立ちにくくなっていることを報告した。

 同準備委は2012年10月に初回を開催。 候補地選定前にスクールバス利用対象の決定 (運行距離) などを協議。 昨年2月の第12回会議の投票で山南中央16票、 井原付近13票と拮抗。 妥協点が見いだせず、 昨年3月25日の13回を最後に会議は開かれていなかった。

 

市教委説明「ほぼ100%転用できない」

 20日の統合準備委員会で事務局の丹波市教育委員会は井原案を推す意見でまとまっている和田地区と調整会議を持ったことなど、 休止中の1年間の取り組みを報告した。 この中で、 市農業振興課と農地転用について協議・確認をし、 井原案の場所は農用地区域で、 市として農地転用は行わず、 農地が取得できないことを確認し、 9月に和田地区に伝えたことを明かした。 和田地区は了解していない。

 これまでの準備委員会で、 市教委は井原の農地転用の可能性を 「非常に厳しい」 「ハードルが高い」 などと発言してきたが、 この日は 「ほぼ100%近く転用できない」 と踏み込んだ。

 候補地を絞り込む投票の際は、 「農振を外す最大限の努力をする」 とし、 候補地が農業振興地であることは考慮せず投票した。 市教委は 「(農振除外のことを) 投票前に出すと勝負にならないからと、 事前協議の中でそうなった」 と言い、 「農振除外の5つの要件から見て、 (井原を) 外すのは至難。 ほぼ無理と考えて。 市教委でなく、 市 (の考え) として理解してほしい」 と強調した。

  「こども園は農振を除外して作っている」 などとする反論も出された。 市教委は 「3・5も規制を外すのは公共施設であっても至難」 などとした。

 

関連記事