弊紙6月25日号から連載を始めている「戦後70年―丹波人の証言」。篠山市内の証言を担当し、これまでに3人の方を取材させていただいた。
まさに「戦争を知らない子どもたち」である私は、その苦しさがどれほどのものであったかを完全に理解することはできない。だからと言って、数百万人もの人が亡くなった出来事に目をつぶることもできないし、してはならない。
その証言を聞ける機会は、近いうちになくなってしまう。「今、聞かなければ」と思い立って、この連載を始めた。
おびただしい数の遺体、極寒の抑留生活、それを当たり前に受け止めていた地域。取材で聞いた話は、どんな小さなことも胸に突き刺さった。読者のみなさんにも、遠くの誰かではなく、同じまちに生きる人の経験を知ってほしいと思いながら記事を書いている。
現在、参院で安保法制が審議されている。ただただ「人が死なないように」と、考える機会にしたい。どこの国の誰であっても、何歳であっても、大切な誰かの子どもなのだから。(森田靖久)