田中泯氏

2015.09.17
丹波春秋

 朝ドラ「まれ」で知った田中泯(本欄8月20日号)が12日、教育テレビで“カリスマ左官”挟土秀平と対談。来年の大河ドラマ「真田丸」の題字を、塗壁の上にコテで書く挟土氏もなかなかの人だが、同氏がぞっこん惚れ込んでいるらしい田中の素顔は想像以上だった。▼インドネシアの農村の田んぼや畦道で踊る記録映画の中で、彼はよれよれの浴衣で四つん這いで歩くが、すれ違う牛も農民も知らん顔。このシーンに感銘を受けたという挟土氏に、田中は「自分の波長が彼らと一緒になったのだろう。チョウチョが頭にとまり、犬が横でゴロンと寝そべった」と説明。「地球に生命が発生し、そこからみんな縁がある。同じ生命の歴史の中に自分がある」とも。▼前衛舞踏の土方巽に出会ってこの道に入った彼は食えない時代、 井戸掘りやバキュームカーの掃除などでしのいだ。40歳になって自然農業で自給自足も。「身体を動かすことは全て踊りに役立った」。でも踊りには動きも大切だが、「生命が出せなかったら半分しかやれていない」。▼また「年齢で型に押し込むのはおかしい。自分は年齢を平気で駆け下りられる。70歳の自分の経験、記憶の中にまだ使っていないものがいっぱいある。だから死ぬまで新鮮であり続ける」。普通なら実に気障な言葉がすんなり納得出来た。(E)

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