丹波に秋の味覚の季節が到来した。週末ともなると、イベント会場や道路沿いに黒枝豆の販売所が設けられ、旬を買い求める多くの観光客でにぎわいをみせている。
わが家でも両親が黒枝豆を600平方ほど栽培している。どこかに出荷するわけではなく、友人・知人に贈ったり、自家消費したりする程度なので、さほど品質に気を使う必要もなく、もっぱら無農薬にこだわっている。
無農薬であるがゆえに害虫の襲撃を受け、莢には赤茶色のまだら模様が浮かび、ゆで上がった枝豆の中から、小さな芋虫が豆と一緒に飛び出してくることなんて日常茶飯事。口に含むととんでもなく苦い豆もあるなど、無農薬ならではの品質を味わっている。
しかし今年は、これまでに経験したことがないほど出来が良いのである。莢は青々とし、なぜか莢表面の産毛も少ない。粒も大きく、味もすこぶる良い。
しかし毎年、あれだけ大量にやって来ていた害虫たちはいったいいずこへ?いなけりゃいないで、少しさびしくもあり、また、なんとも不気味でもある。(太治庄三)