若者たちの底力

2015.10.17
丹波春秋

 昨日、明日と篠山市今田町で「陶器まつり」が開かれている。38回目を数えるイベントだが、始まりは立杭の若手陶工が企画した陶器市だった。今ほど立杭を訪れる人がいなかった当時、焼き物の里に人を呼び込もうと、若者たちが行動を起こした。▼周囲には「若造に何ができるか」という冷ややかな反応もあったそうだが、若者たちの熱意が実り、交通渋滞をきたすほどのにぎわいを見せた。見事に成功し、篠山の誇る一大イベントに成長した。当時の若者が持っていた底力を思う。▼さて現代の若者だが、新しいタイプを散見するようになった。農業や農村での暮らしに希望を感じる若者、農村部で友人とささやかながらも起業する若者、多くを所有したいという意識を持たず、企業で働くことに価値観を持たない若者。哲学者の鷲田清一氏や内山節氏も指摘するように、そんな若者がじわりと増えているようだ。▼経済優先の旧来の価値観に正面きって異議申し立てをするのではなく、さらりと背を向ける。手の届く範囲の小さなサイズ感での暮らしを楽しむ。共同体とつながった手ざわり感のある生き方を求める。そんなふうに映る若者を丹波でも見受けるようになった。▼地域のこれからを開いてくれるであろう、新しいタイプの若者たちの底力に期待したい。(Y)

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