文保寺仁王像修復へ 阿形像を京都へ搬出

2015.12.16
ニュース丹波篠山市

阿形像の搬出準備を進める仏師ら=兵庫県篠山市味間南の文保寺で

2018年に再興から700年の節目を迎える兵庫県篠山市味間南の文保寺。同年4月に開催予定の再興700年記念行事を前に、経年劣化により傷みの激しい同寺の仁王像の修復を行うことを決めた。修復を手掛けるのは、京都市に工房を構える仏師、三浦耀山さん(42)。12月14日には、三浦さんら5人の仏師らによる仁王像の搬出作業が行われた。同寺の鷲尾隆圓住職(65)は、「仁王像の修復はめったにないこと。檀信徒の皆さんの支援のおかげです」と感謝している。

市指定文化財になっている楼門に、口を閉じた吽形像、口をあけた阿形像の2体の仁王像が安置されている。仁王像はヒノキの寄せ木造りで、高さは、足元の岩座(台座)から頭頂部分の飾りを含めると約3メートル。天正年間(1573―92年)末期に楼門が再建された際、仁王像も一緒に造られた可能性があるが、制作時期は不明。制作者も分からない。

主な修復内容は、解体して表面の彩色や汚れを落として組み直し、欠損や破損している指先や胸、天衣(細長い衣の飾り)などは作り直して組み込むとしている。

まずは阿形像の修復からかかり、吽形像は阿形像の修復完了後に行う。両体の修復完了は18年2月の予定。

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