わらじ編み手見つかる 青垣PP組合が製法録画

2016.01.16
ニュース丹波市

子どもの頃に覚えた技術を伝えた森島保男さん=兵庫県丹波市氷上町新郷で

青垣ポリプロピレン樹脂工業協同組合(兵庫県丹波市青垣町沢野、衣川寿一組合長)が探していたわらじを編める人が見つかった。この男性に製造を依頼したほか、作業のようすを録画し、組合職員が覚え始めている。同組合は「感謝の一言」と喜んでいる。

宝塚歌劇団やわらび座の舞台用小道具、釣人の滑り止めに需要があった「PPわらじ」を編む人がなくなり同組合が困っていることを丹波新聞で知った、地元のわら細工の達人、森島保男さん(83)=同市氷上町新郷=が、協力を申し出た。

森島さんは物資が困窮を極めた第二次大戦中に小学時代を過ごした。「60人の同級生で靴が配給されるのは1人」(森島さん)で、はき物は自分で作っていたという。縄を通す「ちち」と呼ぶ輪を作る工程が入るわらじはぞうりより編むのが難しく、子どもが編むのはぞうり。わらじは主に大人が編んでいたという。森島さんは父親が編むのを見て覚え、山で作業をする際は自分で編んだわらじを履いていたという。1955年ごろを最後にわらじを作ることはなかったが、作り方が体に染みこんでいた。

同組合は、要点を解説しながら編む森島さんの作業の一部始終を録画しDVD化。これを参考に、手先が器用な職員がわらじを編み始めている。

森島さんにも製造を依頼、これまで通り取引が続けられるようになった。さらに、何人か若い編み手を養成し、新たな販路開拓にもつなげる意向。

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