感動をありがとう

2016.08.04
未―コラム記者ノート

 県中学校総体の軟式野球で、市島中学校が3位に輝いたものの、近畿大会には一歩届かなかった。各大会で好成績を収め、何度も取材させてもらったチーム。個人的にも敗れたことは感慨深かった。
 県総体での敗戦後、目を潤ませながら試合の感想を話してくれた主将の荻野志月君。3年生部員の中で真っ先に後輩たちの肩を叩き、「がんばれよ」と優しく声をかけていた。バッテリー・塩見睦斗君と阪谷奨真君は、クールダウンのキャッチボール後に抱き合って涙を流していた。悔し涙に暮れる部員を前に、田中徹監督は「自慢のチームだ。胸を張って帰ろう」と言葉を詰まらせながら語りかけていた。
 中学時代は野球部だったから、中学野球の取材はとりわけ力が入る。氷上郡大会の初日で負けてしまったから、輝かしい成績を収めた中学生がうらやましく映るのも理由の一つかもしれない。
 丹有新人戦優勝、県新人戦準優勝、市総体33年ぶり優勝、丹有総体初優勝。次々と同中学校の歴史を塗り替えた彼ら。成績だけがすべてではないが、努力し続けた証だ。
 市島中野球部のみんな、感動をありがとう。(田畑知也)

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