パラリンピック

2016.09.24
丹波春秋

 パラリンピックを、今回ほど熱心に観戦したことはなかった。一番驚いたのは、初めて見た陸上男子100の全盲の部。伴走者と手をひもでつないで走る。金メダルの記録は何と10秒台。恐るべき速さだ。こうなると、伴走者も並みのランナーではとても務まらない。▼柔道だったか、表彰台に立った視覚障害の日本の選手がメダルを仕切りに手で撫でていた。我々が目にするような会場の華やかさを、彼らは全身でどのように感じていたのだろうか。▼丹波市出身の芦田選手も、400リレーで日本初の銅メダルを取った。1着の米国チームがタッチのミスで失格し、拾いもののようなメダルではあったが、オリンピックのリレーでの銀メダルに匹敵する偉業だ。▼三田市出身の山田の50自由形銅メダルも素晴らしい。片腕が肩からなく、よく真っすぐ泳げるものと感心する。余程の工夫と鍛錬が必要だったろう。女子テニスの上地や女子卓球の68歳の別所ら、ほかの兵庫勢も、本当によく頑張った。▼それにしても金107個、銀銅合わせて239個という中国の圧倒的強さ。優秀な競技者に手厚い報奨金が出るためという。器具にお金をかけると有利なのは事実だろう。色々課題も背負うパラリンピックだが、ともあれ、東京ではオリンピック以上に観に行きたい。 (E)

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