甲子園

2016.10.06
丹波春秋

 この夏、NPO「アジアの新しい風」の活動で、阪神間のある大学に留学中のベトナム人女学生を京都に案内した。道すがら、なぜその大学を選んだのかと尋ねると、「甲子園にすぐ近いから」。▼日本のアニメが外国でも人気があることはよく知られるが、彼女は「ダイヤのエース」という高校野球のテレビ・アニメの大ファン。ベトナムでも野球はそこそこ普及しているらしく、彼女がいた高校にも野球部が出来、彼女自身も一時、入っていたとか。華奢な身体で、長続きしなかったそうだが。▼数日後の高校野球の決勝戦に行くのを楽しみにしていて、甲子園の吸引力も国際的になっているのかと感心した。宝塚歌劇のファンで、宝塚に近い家を求めて関東から丹波市に移り住んだ夫妻もいて、「甲子園」と「宝塚」は東京にも作れない、兵庫県の貴重な財産だ。▼そこで思い出したのだが、筆者が高校生だった50数年前は、高校野球の兵庫県予選も甲子園球場を使っていた。ブラスバンド部員の筆者もよく応援に出かけたが、甲子園が当たり前のことと思っていた。今は諸事情から廃止されたのだろうが、これを、せめて準々決勝くらいから復活できないものか。▼兵庫勢はこのところ沈滞気味だが、「ともかく甲子園の土が踏める」となれば、他県からもっと精鋭を呼べるのでは。(E)

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