神戸大学ヒューマン・コミュニティ創成研究センターが、篠山特産の山の芋の青かび抑制に柿酢が使えないか、実証を進めている。猿害対策の一つとして畑校区で実施しているイベント「さる×はた合戦」で取った柿を酢にし、今年、岡野校区の農家の畑を借りて山の芋を栽培したところ、収量は若干減ったものの、青かびが付着した芋の数は、慣行農法とほぼ変わらなかった。今後、さらに効果を明らかにし、大量になった柿の有効利用、獣害対策、山の芋の生産拡大―の“一石三鳥”をねらう。
山の芋の青かび病は、貯蔵中や、出荷後に発病するといわれている。収穫時に付いたわずかな傷から発病したり、土の中で発病しているケースもあるという。慣行農法では、保管時や、播種する前の種芋を消毒液に浸す作業が行われている。
柿酢の作り方は、樽一杯に柿を入れ、虫などが入らないようにして保管しておくだけ。同センターは、2013―14年の約半年かけて作った酢に種芋を浸して栽培実験し、収穫後、柿酢を浸した場合と慣行農法とで畝ごとに比較した。芋数、収量、芋1個あたりの重さは、やや慣行農法の方がよかったが、青かびが付着した芋数は慣行農法と同様の1―2個で、「青かびの発生を抑えられている印象がある」とした。