地域紙

2017.06.24
丹波春秋

 全国の地域紙が参加した大会が綾部市で開かれた。丹波新聞のように小さな地域をエリアにした地域紙は各地にあり、今大会には北海道から沖縄まで39社が参加した。テーマは「10年後、地域紙は生き残れるか」。▼インパクトのあるテーマに、過去最高の参加となった。各地域紙が今後について少なからぬ危機感を持っていることの裏返しでもある。購読・広告収入をいかに維持拡大していくか、本業以外でいかに収益の柱を築いていくか。現実的な課題について各種の提案があり、討論をした。▼多くの地域紙が人口の減少などもあって苦戦を強いられ、突破口を見いだそうと闘っている現状が浮き彫りになった。おおいかぶさる重荷に耐え切れず、休刊・廃刊になった地域紙がある。業態を変更した地域紙もある。地域紙の前途は楽観できるものではない。▼しかし、地域に根を張り、地域の情報を集めている地域紙は、地域住民のネットワーク化を促し、まちづくりに貢献している。地域のインフラと言っていい存在だ。そんな存在価値を最大限に生かし、地域住民から「なくてはならないもの」として認知されることが肝要であろう。▼大会に参加したある地域紙の関係者は「原点を思い返した」と言った。多くの参加者がそう思ったことだろう。(Y)

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