今年の夏の甲子園。丹波市出身の塩見侑君と谷口嘉紀君が所属する神戸国際大附属高校が健闘し、地元・丹波市を沸かせた。現地で取材したが、全国大会の大舞台は華やかで、手に汗握る接戦に、見ていたこちら側も力が入った。
一方で、高校野球の魅力は地方大会にも詰まっているとも思う。ここ数年、1回戦を突破するのがやっとだった氷上高校が快進撃をみせた今年、創部初のベスト32入りを果たした。16強をめざした「丹波っ子」が、強豪・西脇工業と戦い、あと一歩まで追い詰めた姿に胸が熱くなった。
学生野球の本分は、野球を通じた生徒の健全育成だ。ただ「公認野球規則」には、こう書かれている。「各チームは、相手チームより多くの得点を記録して、勝つことを目的とする」―。懸命に勝ちをめざす姿だからこそ、心を動かされるシーンがある。その舞台が、地方球場であっても遜色はないはずだ。
篠山鳳鳴高校軟式野球部が、全国ベスト4に輝いた。中学校時代は軟式野球部だったので、軟式野球に光が当たったことがうれしい。ただ、硬式野球の魅力も知った夏だった。
(田畑知也)