夜明け

2017.10.05
丹波春秋

 公明党の山口代表の写真の入った「希望のゆきわたる国に」というポスターをあちこちで見かけた。「希望」を名乗る党が別に立ち上がって、このポスターはどうなるのだろう。その小池代表が選挙後の国会での首班指名について問われ、冗談だろうが、山口氏の名前を挙げたのは、良い名前を拝借したお礼だったのか。2月頃に商標登録をすませていたというが。

 まあ、どうでもいいことまで勘ぐりたくなるほど、ドタバタの解散選挙劇である。北朝鮮がまたまたミサイルを発射する気配もある中で安倍さん、どう信を問いたかったのか、有権者の多くが首をかしげている。

 大半の民進党候補が事実上、「希望」に合流して戦うそうだ。安保法制への態度を“リセット”してのにわか仕立ての公約では、当初若狭氏が唐突に挙げていた「国会の1院制」はすっかり姿を消し、小池氏がぶち上げた「脱原発」も味方につけた連合との“しがらみ”からか、影が薄い。

 民主党が政権をとった際、作っては壊しするのが好きな小沢氏が重要な役割を果たし、危ぶむ者は多かった。今回もまたこの人が、力は弱めたものの動いているようで、前の轍は踏まないか。

 「夜明けのうたよ あたしの心におおきな望みを抱かせておくれ」と、岸洋子は歌った。夜明けが来るのは一体いつ?(E)

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