祝婚歌

2017.11.16
未―コラム記者ノート

 高校の同級生の結婚式に出席した。受付を頼まれていたが、それをこなせば仕事は終わったようなもの。新郎新婦に祝福の言葉をかけたあとは、久しく顔を見ていなかった旧友との再会を楽しんだ。

 式は、列席者が結婚の証人となる人前式で行われた。式の締めくくりに、司会が詩人・吉野弘さんの「祝婚歌」を朗読。結婚式では定番の有名な詩だが、恥ずかしながら初めて知った。

 「二人が仲睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい」で始まる詩。「立派すぎることは 長持ちしないことだと 気付いているほうがいい」「正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと 気付いているほうがいい」「健康で 風に吹かれながら 生きていることのなつかしさに ふと 胸が熱くなる そんな日があってもいい」「そして なぜ胸が熱くなるのか 黙っていても 二人にはわかるのであってほしい」―。“ええ事言うなぁー”と思わず心をつかまれた。

 新しく結ばれる2人へのはなむけとして作られたものだが、さっそく実践してみるべし。家庭が平和であることは、この上ない幸せ。(田畑知也)

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