兵庫県丹波市氷上町稲畑の農事組合法人稲畑どろんこ会(梅垣嘉位組合長、9人)が、ビニールハウスを建設し、葉物野菜の水耕栽培を始めた。「水からうまれたお野菜」のブランド名で展開している。農業後継者の確保という課題があり、気候の影響を受けにくく経営が安定する、女性がアルバイトで作業できるなどのメリットから、栽培品目の見直しに取り組んだ。「将来、稲畑の女性のアルバイト先になれば」と同法人は期待している。
10アールのハウス1棟で、リーフレタス、サンチュ、ワサビ菜の3種を栽培している。クボタの水耕栽培システムを導入。台所の流し台のような形をした樹脂製の槽で、市の水道水と液体肥料を循環させて育てる。
昨年12月から出荷を始めた。10枚ずつ袋詰めし、100円で販売。JA丹波ひかみのとれたて野菜直売所(氷上町)のほか、阪神間のスーパーにも出荷している。
ハウスの中を3つのブロックに分け、端境が生じないよう時期をずらしながら栽培する。同JAの補助金を活用し、1100万円を投資した。
同法人は、同自治会の3分の2にあたる33ヘクタールの農地を預かっている。法人化して以降、自分たちが年老いた後、同自治会の農地を守ってくれる農業後継者の確保策を考え、栽培品目の見直しや研修生の受け入れなどを行ってきたが、20代や30代の若者は有機農業などこだわりの農法を好み、広大な農地を管理するような農業は好まれない事実に直面。そこで現実的に農地を維持する方法として、女性と定年退職後の世代に目をつけた。