一銃一狗

2018.05.19
未―コラム記者ノート

丹波市氷上町香良の加古川堤防近くにぽつんと1軒ある、緑色のコンテナが目立つお宅。そこに「丹波猪犬(ししいぬ)訓練所」があった。畑一枚ほどの猟犬のドッグラン。20年ほど前に開設されたそうだ。5月20日にここにイノシシと猟犬を放し、犬の適性を見る「訓練会」が開かれる。

訓練所は、猟師で、狩猟グッズの販売や狩猟専門誌の編集を手がけ、認定鳥獣捕獲等事業者でもある足立岳比古さんが開いたもの。足立さんのこだわりは、銃一丁と犬1頭でイノシシを狩る「一銃一狗(いちじゅういっく)」。動画で足立さんの猟の様子を見た。なるほど犬が大切だ。犬がまとわりついて足止めしているイノシシをズドンと銃で仕留める。見事な連携。「よう止めた。ようやった」と、倒した獲物そっちのけで愛犬を讃えていた。

銃を撃つ事はあまり好きではなく、優秀な猟犬を見出し、その犬と山を歩く、それ自体が好きという。犬の首輪にGPSと無線がついていて、イノシシを見つけると、犬のいななきが無線を通して聞こえ、その声を聞くのがたまらないという。奥深い世界を垣間見れ、感銘を受けた。(足立智和)

関連記事