小惑星「リュウグウ」を探査する「はやぶさ2」から放出され、岩だらけの星に降り立った探査ロボット「MINERVA(ミネルバ)―Ⅱ1」の開発に参加した足立忠司さん(丹波市出身)を取材した。
「自分が作ったロボットが、2億8000万キロ先の虚空で活躍しているというのはどんな心境なのだろうか」と、リュウグウと比べれば目と鼻の先、いや、毛と毛の間くらいの距離にある神奈川県まで足を運んだ。
足立さんは時に目を輝かせ、時に子どものように、開発の経緯や苦労話、送られてきたリュウグウの画像を見た時の感動などを語ってくださった。どれも興味深かったが、一番心に残った言葉は、横浜駅までの電車内で聞いた「あきらめなければ、夢はかなう」。ありふれた言葉かもしれないが、偉業を成し遂げられたからこその重みがあった。
宇宙を舞台にする足立さんという存在を教えてくださったのは、記者が丹波市担当時代にお世話になった方。リュウグウははるかかなただが、地球、日本、そして丹波に生きる私たちの距離は驚くほど近いなぁと、改めて思った。(森田靖久)