昭和初期にため池「神池」を作って干ばつから村を救った吉見伝左衛門の功績をたたえるとともに、秋の収穫を祝うイベント「鴨庄秋の感謝祭―吉見伝左衛門からのバトン」(同実行委員会主催)が14日、兵庫県丹波市市島町鴨庄旧農協駐車場で初めて開かれた。地元で働く若者の結婚式が行われたほか、飲食や音楽ステージなど多彩な内容で催され、地域住民を中心に数百人の人でにぎわった。
鴨庄小学校1、2年生が牛乳パックでこしらえた「みこし」を担いで練り歩くなど、ほっこりした雰囲気でスタートした。
結婚式では、同地区の障がい者就労継続支援B型施設「ら・ぱん工房 来古里」で働く、石田誠さん(27)とひろみさん(36)が、集落の人が結婚の証人となる“村人前式”で永遠の愛を誓った。2人は「これから何でも2人で話し合い、協力し合って笑顔あふれる明るい家庭を築いていくことをここに誓います」と宣言。胸を熱くした来場者が、ハンカチで目頭を押さえる姿もあった。
今年は「神池」の誕生から80年。地域住民がステージで伝左衛門の功績をたたえる趣向もあった。来場した伝左衛門の孫・吉見弘文さん(64)=兵庫県伊丹市=は、「節目に顕彰していただき、ありがたい」と語った。
実行委員長の髙見忠寿さん(35)=同町喜多=は「多くの人に協力をいただき、開催させてもらった。来年以降も続けられたら」と話していた。