里山まるごと商品に 「枝葉も売ります」 八百屋の木材版”八百材舎”が発足


「八百材舎」を立ち上げ、事業をスタートした内田さん=兵庫県篠山市垣屋で

 丸太だけでなく、枝や端材、さらには枝葉や草などを材料にした土など、普段、捨てられてしまう里山の資源を商品として販売する団体「八百材舎(やおざいや)」が発足し、兵庫県篠山市垣屋で事業をスタートさせた。さまざまな野菜を売る「八百屋」の木材版で、原材料を安価で提供し、その”調理”は買い手が好きに楽しむという珍しい事業。造園コンサルタントで、八百材舎の代表を務める内田圭介さん(46)=神戸市=は、「始まりは、”もったいない”という思い。事業を通して山を考え直し、林業後継者など、いろんな人が集まる場所にもしていきたい」と意気込む。

 スギやヒノキ、マツなどの原木丸太、サクラやケヤキの枝、クロモジの枝葉、薪の束―。垣屋の事務所の周囲には多種多様な木材が積み上がる。

 原木丸太は1本3000円から、枝丸太は1立方メートル1万3000円から、枝は1キロ1600円からなど、安価に設定してある。

 内田さんは、「丸太は家具や床柱、室内ディスプレイなどになるし、クロモジの枝葉は精油の材料にもなる。細かくしたウッドチップは、精油や染色、雑草抑えにも。捨てるものは何もありません」と太鼓判を押す。

 また、枝葉や田畑で出た植物残渣を材料にした土も販売しており、有機成分が豊富で、痩せた土地の土壌改良に効果を発揮するという。

積み上げられた草や枝葉は微生物によって栄養満点の土に。発酵しているため、煙が立ち上っている

 基本的に原木の状態で販売するため、買い手が製材したい場合は、市内の製材所を紹介するなどして、地域経済にも貢献したい考え。

 内田さんは、木材を粉砕し、粒状の固形燃料「木質ペレット」にすることで、間伐材の有効活用と森の元気回復に取り組んでいるNPO法人「バイオマス丹波篠山」(高橋隆治理事長)の事業にかかわる中で、高橋理事長らと燃料以外での木材の活用を発案。これまでにないアプローチで里山の魅力にスポットを当て、さらに森林資源の活用を図ろうと事業を始めた。

 横浜出身で、京都の大学で景観工学を学び、造園業や里山保全に取り組んできた内田さん。「篠山の山はとてもきれい。けれど、林業者も高齢化しており、このまま放置していては荒廃する一方。『山が資源になる』ということを改めて考えるきっかけになれば」と話している。

 詳細は「八百材舎」のホームページから。