元号

2019.03.28
丹波春秋

 人生の節目の多くを「昭和」時代に迎えた筆者には、昭和を基準に振り返るのが習慣。平成も63をプラスして昭和に換算すると、今年は〝昭和94年〟。ただ、阪神大震災の1995年(昭和70年)辺りからは、身辺の事柄も含めて西暦で考えている。

 だから「平成」は役所などの文書に記入するくらいのほかはあまり使わない。新しい元号になっても多分、93をプラスして昭和に換算するか、西暦で数えるだろう。無論これは筆者の個人的なやり方ではあるが、新元号とはさらに疎遠になっていきそうだ。

 日本の元号は「大化」以来247あるらしく、明治以降は天皇の「一世一元」制になったが、それまではしょっちゅう改元され、短いのは2カ月余りだったとか。幕末の頃には「貴公は何年の生まれ?ほう、文化10年でござるか。しからば文政、天保、弘化、嘉永、安政、万延、文久…と来て50歳?」などと、算盤を持ち出していたか。

 いや、それでは面倒すぎるから、恐らく干支を使っていたのでは。とすると元号はさほど重視されなかったかも。

 さりながら、翻って新元号がこれほど話題になり、今や「赤旗」の日付に元号が併記される。現天皇が「象徴のあり方を日々模索」しながら退位を決意されるに至った中で、元号の意味は重みを減じていないのだろう。(E)

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