山登りの仲間と京都の愛宕山へ。全国に800以上ある愛宕神社の総本社が山頂にある。米朝や枝雀の落語に登場するほど親しまれている山。924㍍と京都府内2番目の高さながら整った参道が続くというので、楽に行けると思っていたら、どうしてなかなか手ごわかった。
嵐山の奥、清滝の登り口から5㌔の道のり、高度差800㍍を登っていく。石や木で出来た段々道は、どこまで進んでも勾配のきつい上りばかり。1丁(109㍍)ごとに立っているお地蔵さんばかりが頼りだったが、いい加減登って来たと思った所でまだ半分の25丁。
ようやく山門を過ぎ、3時間余りかかって境内に到着した頃には足が棒状態。そこから社務所奥の本殿まで、急な石段がさらに200段以上続いていた。おみくじを引くと、大吉。明智光秀が本能寺の変の数日前に参詣した時は何度引いても凶だったと聞くにつけ、何とも嬉しい。
彼は信長から秀吉への援軍を命じられ、備中高松に行くための必勝祈願の名目でここに来た。一夜催した連歌の会で「ときはいま天が下知る五月かな」と発句する場面は、来年の大河ドラマのハイライトとなろう。
途中から降雨のため、京都の市街地の眺望はもやに包まれていたが、光秀が確かに同じ場所から見ていたと感じながら下山の途に。(E)