受け継がれた「お土産提灯」 260個、譲渡先探した老夫婦 都内の男性が譲り受け

2019.07.03
ニュース丹波篠山市地域

平野さん夫妻から提灯を譲り受けた男性ら=兵庫県丹波篠山市大沢で

30数年前から旅先で収集してきた「おみやげ提灯」約260個の譲渡先を探していた兵庫県丹波篠山市味間南の平野勝男さん(84)と妻の俊子さん(82)のもとにこのほど、東京都内の男性(34)が訪れ、提灯を譲り受けた。平野さんは、「わが子を嫁に出すような気持ちだけれど、喜んでもらえてよかった。心残りはありません」と言い、男性の車に積み込まれていく提灯を満面の笑顔で見送っていた。

製材業から旅行業へ転身したほど旅行好きな平野さん。北は北海道、南は沖縄まで、国内すべての都道府県を巡り、今も旅に出かけている。

旅行の証しになればと、「おみやげ提灯」を集めるようになり、事務所(同市大沢)の壁には特注の掛け棚を設置。見るたびに思い出話に花が咲く空間を楽しんできた。

そんな2人は、80歳を過ぎたことから”終活”をスタート。身の回りの整理を行う中、思い出が詰まった提灯を捨てるのがしのびなく、「必要とされる方に譲りたい」と譲渡先を探していた。

一方の男性も旅行が大好き。10年ほど前からおみやげ提灯にはまり、平野さんに負けず劣らずの約200個を集めている。ただ、提灯ブームが去る中、目当ての提灯を買うことができなくなっていたという。

そんな折、インターネットで平野さんが譲渡先を探している本紙の記事を発見。記者を通じて平野さんに連絡し、譲り受けることになった。

妻とともに平野さんを訪ね、きれいに飾り付けられた提灯に目を丸くした男性。提灯に書かれた観光地名をもとに平野さんと旅行談義にも花を咲かせた。

平野さん夫妻は、「また機会があったら来て。提灯、大事にしてください」と呼びかけ、男性は、「自分も手放す時が来るかもしれないと考えると、しんみりする。大切にさせてもらいます」と笑顔で答えた。

別れ際には、互いに「これからも気を付けて、旅行を楽しもう」と誓い合っていた。

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