上司の名前模倣し公文書改ざん 市職員がミス発覚恐れ不正 印鑑購入し押印

2019.11.28
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兵庫県丹波市は、水道部工務課の男性主査(40)が担当した水道管設置工事など4件について、業者への請負代金の支払いや検査の遅れが発覚するのを免れようと、関係書類の日付などを改ざんした事案があったと発表し、謝罪した。一部の事案では、担当課長名を模倣して記入したり、課長の印鑑を自分で購入して押印するなどし、偽の書類を作成していた。支払い遅延の理由ついて、主査は「忘れていた」と話しているという。市は考査委員会を開き、部長らの管理監督責任を含め、主査の処分を決める。

代金支払い遅延にかかわる改ざんは、今年度と2014年の計3件で、契約額は計987万2960円。業者への代金支払いは、いずれも完了している。工事終了を示す工事検査調書や、業者と交わす建設工事請負契約書などの公文書を、遅延がなかったかのように改ざんした。検査遅れ分は14年の1件。

同課係長が今月、定期監査に向けた資料作りをしていた際、係長の工事記録台帳と、部内で共有している台帳の内容に違いが見つかったことから、主査に確認したところ、不正を働いたことを認めた。主査は当初、「ほかに不正はない」としていたが、主査が同部で担当した全58件を調査したところ、さらに3件の改ざんが明らかになった。

主査は14年度から同部に在籍。市農林整備課に在籍していた13年には、担当していた農業関連工事において、工事代金の支払い遅延を隠そうと自分で立て替え、市から処分を受けた。

市は今後、主査が過去に在籍した部署で担当した業務についても調べる。同部の井上博生部長は、「残念でしかない。今後、このようなことがないよう対策を取り、未然に防げるようにしたい」と話した。谷口進一市長は「職員を挙げ、コンプライアンスの徹底に取り組もうと決意したはずなのに残念。心から深くおわび申し上げたい」と謝罪した。

議員からは、「丹波市独自に条例を制定し、条例に従って不正を処罰すべきではないか」「これまで何度も不正があったのに、教訓になっていない」「抜け道のないチェック機能を作るべき」などの指摘が相次いだ。

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