「詐欺防げ」金融機関と初タッグ 速やかな通報しやすく 警察「連携心強い」

2019.12.11
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「特殊詐欺等の被害の防止に関する連携協定」を締結し、協定書を手にする足立理事長(右)と高橋署長=兵庫県丹波市柏原町柏原で

兵庫県丹波警察署(高橋浩樹署長)と、地元の金融機関「中兵庫信用金庫」(足立厚郎理事長)は、振り込め詐欺などの被害を防止しようとこのほど、同署で「特殊詐欺等の被害の防止に関する連携協定」を締結した。丹波署が金融機関と協定を結ぶのは初めてで、また所轄が、地元に本店を持つ金融機関と協定を結ぶのも県内初という。

内容は、▽利用者に対する被害防止啓発活動▽特殊詐欺等の発生またはその前兆に関する情報の速やかな警察への通報▽被害防止に資する情報、県民の安全に係る情報の随時提供▽中兵庫信用金庫職員研修会、街頭活動への警察官の派遣―。

同金庫によると、協定締結で、詐欺を疑って警察へ通報することを利用者に納得してもらいやすくなるという。足立理事長は、「高齢者を狙う詐欺が多発している昨今、警察との連携は心強い。今後も高齢者を守る業務を推進していく」と力を込めた。

高橋署長は、「防犯は警察だけではできない。地域の力を借りることが大事。地元に根を下ろす金融機関と同じ目標に向かって防犯活動に取り組めることは、こちらも心強い」と話している。

昨年、県内における特殊詐欺の被害額は約17億円。同署管内でも1件発生し約500万円の被害があった。今年は認知事案はないが、相談は30件近く寄せられている。

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