畑に謎の物体、宇宙生物の軍団? 正体はおせちの定番「黒大豆」 寒風にさらして熟成中

2019.12.04
ニュース丹波篠山市地域

乾燥中の黒大豆=兵庫県丹波篠山市内で

兵庫県丹波篠山市のあちこちで、畑に不思議な光景が広がっている。一見しただけでは何かわからない物体がきれいに整列。下部に向かって、たくさんの突起が伸びたようなこの奇妙な形状、まさか、アメリカの小説家・ラヴクラフトの作品に登場する宇宙生物「クトゥルフ」の軍団か―?

そんなわけもなく、正体は同市の特産で、おせち料理の定番「黒大豆」を熟成・乾燥させている光景。育った豆を株ごと刈り取り、根の部分を上にして立たせることで寒風にさらしている。

逆さにするのは、熟成が遅い根に近い部分を陽光に当てるため。こうすることでまんべんなく熟成させることができるという。乾燥するのは、豆の水分量の調整や、さやから実が離れやすくすることなどを目的にしている。

農家によると、熟成・乾燥の方法には逆さに立てるほか、刈り取った株を稲木などにかけるよう方法、育ったまま放置する方法などがあるそう。それぞれの農家で、それぞれに合った方法が採用されている。

手間暇かけて出来上がる伝統の逸品は、甘くてコクがあり、大粒。もういくつ寝ると、みなさんもおせち料理の中で出会うかも。

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