公民館で”居酒屋”満喫 料理はお任せ、住民労力ゼロ「最高やな」

2020.02.26
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コミュニティ居酒屋を楽しむ住民ら=兵庫県丹波篠山市小立で

公民館が居酒屋に―。兵庫県丹波篠山市の小立公民館でこのほど、「コミュニティ居酒屋in小立」が開かれた。住民ではなく、ボランティアグループが調理を担当することで、地域のイベントながら労力面での住民負担はゼロ。訪れた人たちはメニューから思い思いの「肴」を選んでは酒を酌み交わし、「最高やな」「この料理、家でもできるやろか」などと話しながら、世間話などに花を咲かせて盛り上がった。

同地区は市街地から距離があり、近くに居酒屋もない。当然、市街地まで出かけて飲むと帰りが大変になる。また、自治会主催の行事では役員や女性陣が準備や片付けに追われてゆっくり楽しめない点もあり、「誰もがお酒を楽しめる場をつくりたい」と昨年、初めて開催した。

住民が手作りしたチラシ

初の試みは大盛況に終わり、同じ年度内にもかかわらず、「再オープン」を求める声が相次いだ。今回も食育や文化活動などに取り組んでいるグループ「ささやま暮らし開き風味里(ファミリー)」(加古佳与子代表)が料理を担当した。

住民の女子高生が手作りしたチラシを各戸にまくと、今回も午後5時の”開店”と同時に男女問わず、地域の人たちが続々と来店。前回は生ビールが1杯200円だったが、今回は「自治会で出したらええやん」との一声で、酒類はすべて自治会負担となり、グループが準備したメンチカツやアジフライなどのなどの定番メニューや、絶品のグリーンカレーや長芋くずし煮など”しゃれた”ものまで100円―300円のつまみを、その場で現金を払う「キャッシュオンデリバリー」方式で満喫した。この方式のために小銭をため込んでいた人も多くいた。

「こんな料理家で出たことないわ」「家でもがんばって料理しとるのに」などと、家庭ならけんかに発展しそうな夫婦の話題もここでは笑いに。男女問わず、「上げ膳据え膳で酒が飲めて最高。毎年、必ず続ける」と声を上げ、笑顔の輪が広がっていた。

松下正宣自治会長(65)は、「畑仕事も少なくなり、家にいても飲んで寝てばかり。みんなで集まり、明るく笑っていると若返る。来年も続けんとしゃあないですわ」と豪快に笑っていた。

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