高校生作った黒豆専用「葉取り機」 刈払機の刃をアレンジ 農家の負担軽減に

2020.02.15
ニュース丹波篠山市地域

畑君が製作した黒豆用の「葉取り機」=2020年1月30日午後2時12分、兵庫県丹波篠山市福住で

 兵庫県丹波篠山市の篠山東雲高校3年の畑朋彦君がこのほど、同校の課題研究で、黒枝豆用の「葉取り機」を製作した。草刈りに使う刈払機の刃をアレンジし、ナイロンコードを取り付けたもの。実験では、黒豆1株の葉をほぼすべて取り除くことができ、約20分で12メートル畝の作業を終えることに成功。農家の負担軽減を目指し、誰でも簡単に作れて実用ができるようにと試作を重ね、3カ月をかけて考案した。畑君は「全てが手探りだったけれど、納得いくものができた」と笑顔だった。

 さやを傷つけないように刃が回転方向に対して反対を向くように取り付け、刃の周囲もガムテープで保護。刃に空いている穴から、長さ8センチほどのナイロンコードを刃の裏側に飛び出るように折って取り付け、結束バンドで固定する。刈払機の遠心力を利用し、コードを葉に当てて落とす仕組み。「台所用のブラシや、たわしも試したけど、ナイロンコードが一番頑丈で、単価も安く、葉を落としやすかった」と話す。

 昨年9月に行った実験では、1株に付いた葉180枚中、170枚を取り除くことに成功。さやの破損も2個ほどに抑えることができ、作業の効率化を実現させる結果になった。

 製作の上で特に意識したのは、「誰でも簡単に作れるよう、低コストで手軽に入手できるものを活用すること」。ナイロンコードは、1000円ほどで購入でき、使用した刃は、刃こぼれなどで使えなくなったものを「リユース」した。「農家であれば、刈払機を1台は持っているはず。この刃があれば、草刈りも葉取りもできて一石二鳥」と話す。

 「いつか丹波篠山で起業することが夢。果樹を植えたりして、耕作放棄地の活用をはかる法人を立ち上げたい」と話している。

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