もらった補助金「寄付」 プロ野球2軍戦の実行委 協賛金多く集まり返却

2020.03.04
ニュース丹波市地域

ゲームに盛り上がる観客=兵庫県丹波市春日町下三井庄で

昨年6月、兵庫県丹波市の春日スタジアムでプロ野球ウエスタンリーグ公式戦「阪神タイガース対ソフトバンクホークス」を主催した、同市春日地域の有志でつくる実行委員会がこのほど、補助金として受給したのと同額の8万円を寄付という形で丹波市に返却した。当初予定では、同市から100万円の補助金の受給を見込んでいたが、協賛金が多く集まり、補助金の交付を受けなくても収支が黒字になった。寄付金を差し引いた大会収益の残額約39万円は、青少年のスポーツ大会などに充てる方向で調整している。

100万円受給予定が実質ゼロ、「市民の力で成功」喜ぶ

同実行委員会は、市外に同市の魅力情報を発信し、市に対する愛着や誇りを高めてもらうための事業「丹波市創生シティプロモーション支援事業」に応募。収入・支出それぞれ418万円の予算を組み、2018、19の2年度で100万円の交付決定を受けた。準備の18年度に8万円を使用。19年度に92万円を使う予定だったが、補助金申請時に106万3000円を見込んでいた協賛金が、実行委員の努力と市民の協力で2倍以上の255万8000円が集まった。補助金なしでも黒字の決算の見込みになったことから、交付額が「0円」に減額された。

ウエスタンリーグ実行委員会の収入と支出の推移

山内佳子実行委員長は、「黒字だから2年目分は補助金の対象にならないと言われびっくりしたが、行政のルールと言われれば仕方がない。8万円を返すのは、シティープロモーションとは別の事業に充当するので、切り離す必要があると考えたから。結果、市の補助金ゼロで事業をなしえた。胸を張って成功を喜びたい」と話す。

イベント担当部長の岡田博美さん(70)は、「大会を成功させ、次年度以降も継続できるよう、お金を残そうと必死で協賛金を集めた。市の批判はしないが、がんばった人が報われる仕組みを考えてもらえれば」と注文をつけた。

市は、「自主財源の足りずを交付するのが補助金。当初は補助金がないと事業ができない計画だった。2年目に事情が変わったので、2年目分は、交付対象ではなくなった」と説明した。

交付済みの8万円の返却は、実行委員会からの寄付で、市が返却を求めたものではない。

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