憶測避けるため、コロナ患者入院を公表 県立病院、事前に対策「安心して受診を」

2020.03.11
ニュース丹波市

15歳以下の面会制限などはあるが、診療体制は通常どおり。「安心して受診を」と呼びかける西崎副院長=兵庫県丹波市氷上町石生で

兵庫県丹波圏域の第二種感染症指定医療機関の県立丹波医療センター(丹波市氷上町石生)は10日、新型コロナウイルスの感染が分かった市内在住の患者が入院していることを公表した。県は入院先の医療機関を公表することを控えているが、憶測が飛び交うのを避けるため、病院の判断で公表した。

患者保護と医療機関の保護の観点から、病院名は一般的に公表されない。ただ、複数の指定医療機関がある地域とは事情が異なり、丹波圏域の指定医療機関は同病院だけ。市民からの問い合わせに「答えられません」と答えるより、市民に安心が広がると考えた。

同病院、同病院の医師が出務する丹波市健康センター「ミルネ」の両施設とも、通常通りの診療を継続する。

該当患者は、症状はなく、経過観察目的での入院。感染症病床の個室で実質的に隔離されており、患者の検査は原則的に入院病室内で行う。CTなどの検査が必要な場合は、空間的、時間的に一般患者と動線が重ならないようにし、特別な車いすで搬送する。

主治医と病棟スタッフは、ガウンにゴーグル、手袋の標準予防策を講じて飛沫、接触予防策を実施する。これらの措置は原則、退院まで行う。

1月30日には、患者の来院を想定した訓練も実施済み。院内では、手指衛生の啓発の強化のほか、不要不急の面会を制限している。

感染防止対策委員長の西崎朗副院長は「発生に備え準備をしていたので不安はない。安心して受診してもらえれば」と話している。

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