アマビエポリス登場―。兵庫県丹波篠山市にある篠山警察署(森江満署長)はこのほど、新型コロナウイルス感染拡大に便乗した詐欺や悪徳商法の防止にと、オリジナルのパトロールカードを作成した。病の流行を封じるとされる妖怪「アマビエ」のイラストが描かれたカードには、詐欺の事例や啓発文を記載。管内の高齢者世帯を中心に配布している。同署は「このカードを玄関に貼ってもらうことで犯罪の抑止につながるのでは」と期待している。
同署畑駐在所の井原直之巡査部長(34)が、今月7日に発案。自宅で娘と絵を描いていた際、妻と「最近、『アマビエ』が流行ってるらしいで」という話になり、試しに描いてみた。
すると、思いのほか上手に仕上がったため、「この絵を仕事にも生かせないか」と思いついたという。絵を見た署員からの評価も上々で、とんとん拍子で”採用”が決まった。
今回作成したパトロールカードは、A5版で両面印刷。表面は、「給付金申請手続きを代行しています」「還付金があるのでATMに行ってください」など、詐欺の電話やメールの事例を紹介し、注意喚起を図る。パトカーに乗り、警察の制服を着たかわいらしい「アマビエ」のイラストは、井原巡査部長がサインペンと娘の色鉛筆を使い、手書きで仕上げた。
裏面は、周辺地域に異常がなかったことの署名や、防犯上のアドバイスなどを署員がメモできるようになっている。
同署は、新型コロナウイルスの感染拡大が収束するまでカードの配布を続けるという。
カードを受け取った75歳の女性は「アマビエがかわいらしくて、本当に上手。家に貼っておきます」と笑顔だった。
井原巡査部長は「こういった詐欺があるということを知ってもらえれば、いざという時に役に立つ。コロナも、犯罪も封じ込められれば」と話している。