竹灯籠270本宮城へ 若手経営者の会 震災追悼行事で

2021.03.09
地域

竹灯籠を完成させたJTクラブの会員=2021年2月8日午後零時39分、兵庫県丹波篠山市曽地中で

兵庫県丹波篠山市の多紀、城東両地区の若手経営者の会「JTクラブ」(11人、事務局=中兵庫信用金庫城東支店)がこのほど、11日に10年を迎える東日本大震災の被災地で行われる追悼行事用の竹灯籠270本を作った。同クラブの熊谷拓朗会長(曽地中)は「コロナ禍でもできる活動を企画し、被災地の同志に少しでも役に立てれば」と話している。

安口の奥村善之さん所有の竹林から20本ほどを切り出し、熊谷会長宅で加工。電動丸のこぎりで斜めに切り口を入れ、さらに30、40、50センチの3つの長さにし、それぞれ200本、40本、30本の竹灯籠を作った。竹の内側には、メンバーが「絆」「心」「追悼」などの文字を書いた。

会員の中には大工や造園工もおり、普段使い慣れている工具を使ったり、技術を生かしたりして丁寧に仕上げていた。

11日に宮城県名取市閖上地区で行われる追悼行事では、LED電球を使ってライトアップされる。使用後は竹炭にして再利用される。

JTクラブは、1983年に結成し、会員同士で交流したり、勉強会を開いたりしている。今年度はコロナ禍で活動がほとんどできず、「地元を支える自営業者」として何かできないかと考えていたところ、熊谷会長が以前から関わっていた震災追悼行事に使われる竹灯籠の不足解消に動くことを決めた。

熊谷会長は以前から、阪神淡路大震災と東日本大震災の追悼行事に使う竹灯籠を作っている市民団体「神戸・心絆」(三木市)と関わっており、メンバーや支援者の高齢化により、竹灯籠の不足が課題だと聞いていた。

追悼行事の指揮を執り、震災の語り部をしている男性は自分たちと同じ地域を支える自営業者で、熊谷会長らは「地域振興のために尽力している同志の一助にもなればと」話している。

関連記事