兵庫県丹波市の丹波青年会議所(JC)が、毎年夏につかさグループいちじま球場(スポーツピアいちじま、同市市島町中竹田)で開かれる「全国高等学校女子硬式野球選手権大会」を地域の宝と捉え、同大会と丹波市の活性化が図れないか検討を重ねている。市民や大会関係者、出場校などを対象に独自で調査を行い、ソフト、ハードの両面で改善が必要なことを調べたり、大会を盛り上げるイベントを企画できないか協議したりしている。まずはJCが持つ横のつながりを生かし、他団体と共に大会の盛り上げに一役買う。
JCの夢丹波創造委員会(木戸口淳委員長)がメインで企画。大会期間中、出店やイベントなどで集客につなげるとともに、更衣室やトイレを一時的に増設するなど、選手が試合に集中できる環境を整えられないか検討している。
福知山商業(現・福知山成美)で甲子園出場経験がある木戸口委員長(39)=氷上町上成松=の発案。同球場は“女子高校野球の聖地”とうたわれているものの、大会自体は市内全体の盛り上がりに欠けているのではと感じていたという。
JCで市民約150人にアンケートを取ったところ、女子野球の存在を知っていると答えたのは8割以上だった一方で、市島で行われている大会に足を運んだのは2割程度だった。
大会運営の状況や課題などを関係者に取材したほか、同大会に出場した8チームにも声を聞いた。引き続き丹波市で夏の大会を開催してほしいという意見がある一方で、更衣室やトイレが不十分であることなど、環境面の改善を望む声が多くあることを知った。
2月26日には、関係者50人ほどがオンラインで協議し、大会活性化のための意見を出し合った。「SNSで選手を紹介する」「大会はJCの横のつながりを生かして実行委員会制にする」「花火大会で集客を図る」―などの声が上がった。全日本女子野球連盟が女子野球を通じて地域活性を図る自治体を認定する「女子野球タウン」に、丹波市が認定を受けられるよう行政の後押しをすることも確認した。春の選抜大会を開く埼玉県加須市などが認定を受けている。
木戸口委員長は「夏の大会には、全国から選手や保護者、学校関係者が来る。市の魅力をPRできる機会にできれば」と話している。