食べてや!俺らの米 若手農家が道の駅に納入 こだわりの「食」提供

2021.03.28
地域

「地元の米を食べてほしい」と話す「丹波大空の会」のメンバーと、道の駅「丹波おばあちゃんの里」の関係者=2021年3月24日午後3時47分、兵庫県丹波市春日町七日市で

うまいで、若手のコメー。兵庫県丹波市内の若手農家が育てた高品質のコシヒカリを観光客に味わってもらおうと、若手農業者グループ「丹波大空の会」(18人、中出靖大代表)が、同市内の道の駅「丹波おばあちゃんの里」に自慢の米を納入。同施設はフードコートなどで提供する料理に使用している。おいしい地元米を食べてもらいたいという両者の思いが合致し、昨年9月から連携を開始。中出代表(41)は、「観光客に丹波でおいしい丹波の米を味わってほしい」と話している。

輸送距離や流通経費を抑え、新鮮な食材を地元で消費する「フードマイルプロジェクト」。年間約300袋ほどの納品量に対し、水稲栽培する会員11人が月ごとに振り分けた数量を納入する。1人5―50袋ほどを受け持つ。フードコートのメニューのほか、販売する弁当、カフェでも使用し、観光客の口に届いている。

同施設はこれまで、他企業から米を仕入れていたが、納品ロットの関係などで仕入れがスムーズとは言えず、安定供給面で課題を抱えていた。発注と納入のタイミングが合わず、別の企業から仕入れたこともあったという。

一方で、同グループは会員それぞれが独自の販路を持っているものの、市の玄関口の一つである同施設で提供してもらうことで、より多くの人に丹波の農作物の魅力を伝えるきっかけになると考えた。

同施設の野原正章支配人は、「利用客から『お米がおいしい』という声もいただいている。今後、農作物を納入する生産者部会との調整は必要だが、大空の会から他の作物の納入にもつなげられたら」と話す。

中出代表は「農家それぞれが工夫し、丹精込めて作った米ばかり。食べてもらうことでネームバリューが上がり、丹波の米がほしいという人に供給できるところまでつながればうれしい」と話している。

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