コロナ禍を劇に 中学生が文化祭で熱演 「あきらめない」/兵庫・丹波篠山

2021.11.01
地域

学年劇で子どもたちが曾祖母から戦時中の話を聞くシーンを演じる3年生たち=2021年10月23日午後2時45分、丹波篠山市味間新で

兵庫県丹波篠山市の丹南中学校3年生(97人)が10月23日、同校で開かれた文化祭で、コロナ禍を題材にした創作劇を発表した。例年行ってきた合唱コンクールが飛沫を避けるために中止となり、代わりに劇を上演することになった。「あえてコロナ禍の学校の様子を伝えたい」と完全オリジナルのストーリーを作成。練習期間はわずか2週間ほどだったが、本番で見事に演じきった。

文化祭を担当する文化委員(6人)が、夏休みに脚本を書いた。タイトルは「私たちのキセキ」。主人公は中学3年生の合唱部員で、最後の合唱コンクールがコロナ禍で中止になってしまった。そんな時、戦時中の話をしてくれた曾祖母から「諦めずに生きていればきっと良い未来が来る。君たちの青春はきっと訪れる」と励ましを受け、前を向く―というストーリー。

フィナーレでは、合唱ができないリアルな文化祭と重ね、主人公の中学生ら合唱部が歌うシーンを、「風になりたい」の曲に合わせ、打楽器や体を使って力いっぱい表現した。

コロナ禍を題材にしようと発案し、監督を務めた文化委員長の山末蓮君は「コロナ禍でも諦めず、何かを表現したかった。みんな練習するたびにうまくなって、本番でも良い表現ができた」、助監督の中元夏芽さんは「コロナ禍を題材にし、難しい部分もあったけれど、本番は練習よりも大きな声が出ていたし、アドリブも加えられて良かった」、主人公を演じた青野ひなさんは「感情を込めて演技することを心掛けた。演じていて楽しかった」と、それぞれ話していた。

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