丹波篠山防災士会会長 岡田政光さん(丹波篠山市般若寺)

2023.04.16
たんばのひと

岡田政光さん

学びを普段の暮らしに

今年2月の設立総会で、初代会長に選ばれた。本職は電気工事士。本職と重なる部分もあることから興味を持ち、2007年に「ひょうご防災リーダー」、続いて防災士の資格を取った。だが、「(資格を)取っただけ、になっていた」。
10年ほど前には、県民局が主催する丹波地域ビジョン委員会に入り、5―6人と防災のチームをつくった。丹波地域の自治会、校区の集まりなどに出向き、模型や紙芝居を用いて分かりやすい啓発活動を展開した。3期6年続けたが、“卒業”するとまた、防災士として活動する場がなくなった。同じように「(資格の)生かし方が分からん」という仲間の声も聞いた。そんな中で、県防災士会から、同市で防災士会設立を促す声がかかり、思いが合致した。
2年ほど前、これからの時代に必要になってくるだろうと、県の男女共同参画アドバイザー養成塾を修了。防災とは別の思いからだったが、防災士会を組織するにあたり、学びが生きた。「例えば避難所のトイレやプライバシーの確保などにおいて、女性やお年寄り、障がい者、家族のようにペットと暮らしている人の気持ちに寄り添うことも大事」と言い、女性部を設けることにもつながった。
「実際の現場では、きれいごとばかりではいかないこともあると思う。ただ、困っている人と一緒に、何が必要かを考えられる人材をつくっていきたい。そのために、学び直しのつもりで防災士会でもさまざまことを学べる機会を設けたい」と意気込む。「ただ、防災士会が活躍しないことが本当は一番。防災士会で学んだ知識や経験が、普段の暮らしのどこかで人の役に立てば」。71歳。

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