飛んでけー! オオムラサキを放蝶 「命つないで」

2023.07.12
地域自然

児童の指先に止まるオオムラサキ=2023年7月5日午前10時16分、兵庫県丹波篠山市南新町で

兵庫県丹波篠山市立篠山小学校の3年生33人が5日、校内で飼育したオオムラサキ61匹を、篠山城跡そばの竹林広場に放した。雄39匹、雌22匹。「飛んでけー」と叫んで手を離すと力強く羽ばたき、太陽の方向に飛び去った。

同校の放蝶は14回目。児童のほか、兵庫丹波オオムラサキの会の足立隆昭会長や、繁殖に取り組む丹波の森公苑の森づくり活動アドバイザーの角谷慶治さん、同竹林広場を整備している南新町美しいまちづくりの会(清水恵治会長)の会員らが参加した。

放蝶を前に、角谷さんが児童たちにオオムラサキの生態や特徴を解説。「昆虫は脚が6本だが、オオムラサキは4本しかないように見える。2本は小さくて歩行用ではなく、樹液を探ったりするセンサーの役割を果たしている」と伝え、驚かせていた。

児童は、「エノキの葉っぱはオオムラサキの幼虫に食べてほしいのに、たくさんのアブラムシが発生して困った」と振り返り、「飛んで行った先でもたくさん卵を産んで、命をつないでほしい」と願っていた。

同校は2009年から飼育を行っている。大きなケージの中に幼虫の食樹となるエノキを植え、代々3年生が飼育を担当。今年は、羽化数が歴代ナンバーワンだった。

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