”村の新聞”600号に あれこれ伝え47年 「田舎が楽しい」紙面に

2023.08.27
地域注目

9月で600号に到達する「いわや」と、現在、担当する藤田さん=兵庫県丹波市山南町岩屋で

”村の新聞”、大台に―。毎月1回、兵庫県丹波市山南町岩屋自治会が発行している広報誌「いわや」が、9月で600号の節目を迎える。1976年(昭和51)に発行を始めて以来47年間、イベントなどの出来事やお知らせ、投稿コーナーなど、地域のあれこれを伝え続けており、住民にとっては定期的に届く新聞のような存在という。執筆、編集、印刷を現在、担当している自治会役員の藤田淳さん(62)は、「読めば岩屋のことが何でも分かる紙面にし、田舎に住んでいることが楽しいと感じてもらえるようなものにしたい」と話している。

A3サイズを2つ折りにした4ページ建てで、話題が多い月には6ページ建てになることもある。モノクロだが、写真を配置して見やすい紙面に仕上げ、月初めの集金常会で配布する。

クリーン作戦や獣害防護柵を点検する道の修繕、伝統行事の様子など、地域であった出来事を掲載。毎月22日にある自治会役員会で決まったことや、祭りなどイベントのお知らせ、高齢者サロン「ほほえみサロン」の様子なども載せている。

同自治会の衛生部長だった、元中学校教諭の和田晴夫さん(故人)が始めたもので、衛生思想の普及を目的に、村の新聞が産声を上げた。当初は全て和田さんの手書きで、ガリ版刷りだった。

題字付近のスペースに描かれている、同自治会の特産「ててうち栗」は、今の紙面にも受け継がれている。

藤田さんによると、和田さんは20年以上、執筆や編集を担った。近年は原則、2年ごとに担当を交代しており、担当役員によって紙面の雰囲気が変わることも面白いという。

藤田さんのこだわりは、伝える情報の正確性と分かりやすさ。「会員からの声」というコーナーを設け、住民から自治会に向けた依頼や、その対応も掲載しており、「役員まで話が通じていることを知らせたい思いもある」という。

節目の600号は、カラー印刷する予定。年末に向け、これまでの紙面から「岩屋10大ニュース」を選んでもらうことも計画している。藤田さんは「和田さんが力を注いだ『いわや』には重みがあり、簡単にやめることはできない。四季の移ろいなども掲載できたら」と話している。

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