無農薬野菜でカフェ 農家が仲間から仕入れ調理 生産者と消費者つなぐ

2023.10.18
地域食べる

「Nora cafe」を切り盛りする高橋麻美さん(左)と、野菜生産者の一人、丹波金光農園の金光大生さん=兵庫県丹波市春日町多田で

兵庫県丹波市春日町多田の国道175号沿いに、農家が仲間の無農薬栽培農家から仕入れた野菜で食事を提供するカフェ「Nora cafe」(野良カフェ)がオープンした。料理を作るのも農家。農家が野菜をお勧めするカフェとして、また、客が農家とつながる店、農家仲間が楽しめる場として使っていく。産地直送ならぬ、近所の農家が直接配達する、自慢の野菜を存分に味わってもらう。

自然に近い形の農業を広める生産者と消費者のグループ「Nora Works」を立ち上げた、うむ農園(同市市島町端)代表の高橋麻美さん(48)が経営する。閉店したカフェ「パブリックキッチン」跡を居抜きで借りた。

カフェ営業は火、水曜の週2日(午前10時半―午後4時)。料理は、1汁5菜の「その日のお野菜気まぐれランチ」(1200円)。営業日に仲間に出荷可能な野菜を問い合わせ、調達できる野菜で献立を組み立てる。野菜だけで満足感のある食事にするため、調味料を工夫している。完全菜食主義(ビーガン)ではなく、だしに魚の節、市内産鶏卵を使うこともある。

カフェ跡を居抜きで借りた「Nora cafe」

高橋さんは8年前、夫と市島にIターンし、新規就農。京都府城陽市で農家を回って集めた野菜だけのお弁当を作るなど、調理経験が豊富。

「『これ食べられるんか』『家でよく食べている食材なのに初めての味』『普段食べている野菜にこんな味付けができるんや』と楽しんでもらえる食事を提供したい」と高橋さん。農家と生産者が交流するワークショップや、野菜の共同出荷場などとしても活用したい意向。「農家から搾取しない」ことを大切にし、正規料金で食材を購入している。

カフェメニューは「本日のケーキ」(600円)、「季節のソーダ」(700円)、コーヒー(450円)など。ランチセット、ケーキセットで割引あり。

毎月第2、第4日曜午前8時45分から朝市を開き、朝ご飯(900円)を提供する。毎月、「満月の宴」を催す。

うむ農園のインスタグラムで情報発信している。

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