韓国フェスに出演 箏で日本チームの一員に 「平和の大切さ、ひしひしと」

2023.11.29
地域

「安東国際仮面舞フェスティバル」で特別賞を受賞した日本チーム。前列右端が竹内さん=韓国・安東市で(提供)

兵庫県丹波市春日町出身で、同市内でも教室を開いている箏奏者の竹内さおりさん(52)=同県西脇市=が、このほど韓国・安東(あんどん)市で開かれた世界的なイベント「安東国際仮面舞フェスティバル&コンペティション」(同市、韓国文化庁など主催)に、日本チーム「TO―Ⅰ―KIN」(といきん)の一員として出演した。海外初出演となった竹内さんは「お客さんの反応がすごく良く、感動的だった。今後も機会があれば、日本の伝統文化を海外で紹介したい」と話している。

「仮面舞」(タルチュム)は、仮面を着けて踊る韓国の民俗芸能。同フェスは、韓国各地の伝統仮面劇の公演に加え、海外の招待チームによる競技形式の公演もあり、今年は各国から36チームが出場した。

 

竹内さおりさん

日本チームは、竹内さんの師、箏奏者の立道明美さん(舞鶴市)が招待を受けて編成。箏、尺八、鳳笙(ほうしょう)、打楽器などの10人と、日本舞踊の4人で結成した。音楽は録音を流す国も多い中、日本チームは生演奏で計6回演奏。「さくら変奏曲」「越天楽変奏曲」などを披露し、コンペでは特別賞を受賞した。

コンペで1位に選ばれたのはロシア、2位はイスラエルだった。街でのパレードは、国際的な問題を抱えるロシアやイスラエルも含め、各国のチームが共に盛り上げており、「自分たちの国の文化を紹介したいという熱い思いが伝わり、同じ気持ちだった」と竹内さん。一方、フェスが開かれたのは、イスラエルでの武力衝突が始まる直前で、状況を聞いたイスラエルチームの人がリハーサルで涙を流しているのを見たという。「いろいろな問題を抱える国の人たちも、一人ひとりは良い人ばかりだった。平和の大切さをひしひしと感じた」と話していた。

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