「“楽しそう”な農家に」
高校卒業後、2年間の“修業”を経て、シャインマスカットを栽培する農家として就農。このほど、丹波篠山市内最年少の「認定新規就農者」に認定された。「シャインマスカットを新しい丹波篠山の売りにできれば。そして、周りの人から見て、『楽しそうだな』と思ってもらえる農家になりたい」と意欲を燃やしている。
米や黒豆、イチゴなどを手がける「丹波篠山大内農場」(同市今田町本荘)に生まれ、父・正博さんをはじめとする農家の背中を見て育った。
幼い頃から作業を手伝うなど、身近に「農」があったが、正博さんが新たにイチゴ栽培を手がけることになり、一緒に調べる中で、「自分もやってみたいな」と、自身も農業に関心を持つようになった。
高校卒業後、農業を生業にすることを決心。技術習得のため、「石田農園」(三木市)と「長塩農園」(三田市)で研修に励んだ。
研さんを積みつつ、楽しみながら経営も成り立たせている父や先輩農家の姿に感銘を受け、さらに夢が膨らんだ。そして出合ったのが、たわわに実るブドウ。その美しさに「ビビッときた」シャインマスカットを主要品目にすることを決めた。
今年度、14アールのハウス栽培で作付け。直売所のほか、ネット販売や観光農園にも取り組む計画だ。
「親を見習いながら、そして、助けてもらいながら頑張っていこうと思う」とにっこり。「シャインマスカットで地域が元気になるような貢献ができたらうれしい」と気合を入れる。正博さんは、「今は自分のことだけ考えて一生懸命頑張って。いつか振り返って人を育ててくれたら」とエールを送っている。20歳。